『Bloody Call』
長野和泉書き下ろしSS企画
『ある日の彼ら』
第四回:久神
[久神のとある一日。]
この学校はどうも、虚弱体質の生徒が多いらしい。
休み時間のたびに、多数の生徒達が保健室へとやって来る。
しかも、なぜか女生徒ばかり……。
ダイエットとやらで、ろくに栄養を摂っていない為か? その割には、どの生徒も妙に血色がいいようなのだが。まあ、細かいことを気にしても仕方あるまい。
……今日は、生徒の数が特別多かった為か、疲れてしまったな。
そういえば昨夜は、夜遅くまで本を読んでいたせいで、あまり眠っていなかった。
多少、仮眠を取った方がいいか?
いや、職場で居眠りするのは、いくら何でも非常識というものだ。
もう少しだけ……我慢を……
駄目だ、本格的に眠くなってきてしまった。
十分だけ、仮眠を取るか……。
夢かうつつかは分からんが、その後、入り口の戸が開く音がした。
「……生? 久神先生、いらっしゃらないんですか?」
聞き覚えのある声が、やや離れた所から聞こえてくる。
この……声は……。
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