『Bloody Call』
長野和泉書き下ろしSS企画
『ある日の彼ら』

第三回:渉
[渉のとある一日。]




「ほお、一体何が間違いなんだ? 掃除の最中だってのに、お子様向けの番組を鑑賞中なんて、いい度胸してるじゃないか」
 背後から、冷え切った声が飛んできた。
 この声は、まさか……。
 オレが恐る恐る背後を振り返ると――。
「な〜にやってんだ、お前は! サボッてないで、さっさと掃除を終わらせろ!」
 凛兄貴の怒声が飛んできた。
「は、はいっ――!」
 オレは慌ててテレビを消し、再び掃除に取り掛かったけど……。
 結局その日、夕飯にありつけなかったことは、言うまでもない。


(終)



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