『Bloody Call』
長野和泉書き下ろしSS企画
『ある日の彼ら』


第二回:司狼
[司狼のとある一日。]





生涯縁がないだろうと思ってた学校ってものに通い始めてから、早くも二週間が経った頃。
「なるほど。その映画、結構面白そうだな。んじゃ、今度時間がある時にでも観に行ってみるか」
クラスメートの女の子からかかってきた電話に応えていると――。
「司狼。暇でしたら、買い物に行って来てくれませんか」
俺の双子の弟・黎明が、ドアを開けるや否やそう言い放った。
「いや、暇じゃねえって。電話中なの、見えねえのか?」
「いいから行って来てください」
黎明の奴は相変わらずのウルトラ無表情で言い放っただけでなく、俺の手から電話を取り上げて勝手に切ってしまう。



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